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メディアの多様化で拡大する通販ビジネス<第2回>
 
感圧紙の業界の未来を考える グリーンレポート
メディアの多様化で拡大する
通販ビジネス<第2回>
2008/2/8
1.地方企業の通販への参入が活発化
2.通販のバックヤードを支えるフルフィルメント
3.顧客維持の鍵を握るOne to Oneマーケティング
4.まとめ
1.地方企業の通販への参入が活発化
 拡大する通販市場において、近年、地方企業の参入がますます活発になっています。カタログ通販などでは採算ベースに乗らない小規模な企業でも、インターネットを活用することで投資を抑えてビジネスを展開できるようになったことが大きな要因です。お取り寄せブームなどにより「地方特産品・産直品」の需要も高まっており、民間の調査会社の予測によると2008年には4,000億円規模の市場になると見られています。
インターネットを通してさまざまな「地方特産品・産直品」が流通する中で、他の商品との差別化を図るために企業の販売戦略も多様化してきました。これまでは個々の企業がそれぞれに自社サイトを構築し、大手ショッピングモールに出店するケースがほとんどでしたが、最近では地域の特色を生かした独自のショッピングモールなどが登場しています。
そうした地方企業が展開する新しいインターネット通販の事例をいくつか紹介しましょう。
釧路・和商市場をネット上に再現した『買鮮市場』
2007年11月、釧路・和商市場の店舗を集めたショッピングサイト、『買鮮市場』がインターネット上にオープンしました。システム開発企業、アクティスの釧路事業所がサイトの運営を手がけ、現在6店舗が参加。市場内の食材をのせて作る「勝手丼」で観光名所となっている和商市場の知名度を生かしたPRを展開し、集客を図っています。『買鮮市場』は初期投資や毎月の利用料をゼロに抑え、売り上げに応じた手数料だけを徴収するシステムが特徴。今後市場内の参加店を増やしていくとともに、道東で食材を扱う店舗などにも参加を呼びかけていく方針です。   ●「買鮮市場」

●「買鮮市場」
→http://www.kai1000.com/
宮崎県の名産品を集めたショッピングサイト『食材宮崎』
2007年9月、宮崎県の食材を直販するショッピングサイト、『食材宮崎』が開設されました。同サイトは宮崎県に本社を置くIT企業、アイコムティと加賀電子が共同で運営。マンゴーや地鶏などの宮崎県の名産品を扱い、サイトに注文が入ると、出店している生産者や店舗にメールなどで内容を自動的に送信する仕組みとなっています。また、ブログを利用して、出店者が手軽に食材などの情報を発信することができ、購入者も感想を書き込むことができます。『食材宮崎』では2008年6月までに参加100社を目指しています。   ●「食材宮崎」

●「食材宮崎」
→http://shokuzai.miyazaki.ch/
2.通販のバックヤードを支えるフルフィルメント
 ではここで、通販ビジネスの基本的な構造を見てみましょう。通販という業態は、他の小売業と比べるとはるかにシステマティックに組み立てられたビジネスであり、「商品」「顧客」「メディア」「フルフィルメント(受注・配送・代金回収)」の4つの歯車をスムーズに回していくことが基本と言われています。
「フルフィルメント」という言葉は一般のビジネスではあまり聞きませんが、通販業界においてはビジネスの成否を握る重要なポイントとなっています。顧客から注文を受け、商品を配送し、代金を回収する。この仕組みが不完全であると通販ビジネスを円滑に進めていくことが難しいと言われています。フルフィルメントの要素である受注・配送・代金回収がどのように行われているのか、以下に近年の傾向を紹介します。

   受注   
  受注方法としては電話、インターネット、郵便、FAXなどがあり、若年層を中心にインターネット経由の受注が伸びています。インターネットによる受注は人件費がほとんどかからず、コスト面でのメリットが大きいことから、日本通信販売協会の2005年度の調査では86.8%の企業が採用しているという結果が出ています。

   配送   
  専門の配送業者に委託するのが一般的です。日本は宅配便をはじめ配送インフラが充実しており、これが通販ビジネスへの参入を容易にしている要因の一つと言われています。
通販企業は配送の際に他社との差別化を図ることが多く、時間指定やギフトラッピングなど多様な付加サービスを提供しています。また、リピート率を上げるため、カタログやDMなどさまざまな印刷物が商品と同梱されるケースも多くなっています。

   代金回収   
  かつて多かった代金前払いはほとんど行われなくなり、着払いが一般的となっています。支払い方法としては銀行振込や郵便振替、クレジットカード、コンビニエンスストアでの支払いなどが主流です。顧客の利便性を高め、代金回収率を向上させるために、最近では一枚の請求書で多様な機関から支払いができるようになっています。
●通販ビジネスの基本構造
3.顧客維持の鍵を握るOne to Oneマーケティング
 新規参入が相次ぎ競争が激化する通販ビジネスにおいて、新規顧客の開拓と同時に大きな課題となっているのが既存顧客の維持・固定化です。フルフィルメントを充実させるのもその手段であり、他業界と同様にマーケティングも重要な要素となっています。
顧客の維持・固定化のために、いま多くの企業がOne to Oneマーケティングに取り組んでいますが、通販業界も例外ではありません。例えば、商品にDMを同梱する場合でも、すべての顧客に同じものを送るのではなく、一人ひとりの年齢や収入、過去に購入した商品の傾向などに合わせて、紹介する商品やメッセージを変えていくことでより効果的なアプローチが可能となります。
通販ビジネスは購入履歴などの顧客データを蓄積しやすく、One to Oneマーケティングに適した業態であると言われています。情報を容易に差し替えられるバリアブル印刷などの新しい技術を提案することで、印刷需要が大きく広がる可能性も考えられます。
One to Oneマーケティングに有効なバリアブル印刷
 デジタル印刷機の普及とともに、バリアブル印刷を活用したOne to Oneマーケティングが本格化してきました。
例えば、ある不動産会社では顧客の家族構成、収入などに合わせて紹介する物件を変える提案書型のDMを制作しています。また、商品はもちろん、背景を顧客の趣味に合わせて山や海などに変えたDMを制作している自動車会社もあります。このように個人の嗜好に合わせたDMを制作することによって、顧客の興味を引き、開封率やレスポンスの向上を図っています。
通販会社に提案する際も、扱っている商品、顧客層などによってバリアブル印刷の利点を生かしたさまざまな形の販促物が考えられるのではないでしょうか。
●One to Oneマーケティングで既存顧客へ効果的にアプローチ
4.まとめ
 発注書や納品伝票などの帳票類が伴う通販ビジネスの拡大は、印刷会社にとって新規顧客を獲得する大きなチャンスと言えます。もはや通販で扱えない商品はないと言っても過言ではない状況にあり、地方企業などの参入も今後さらに活発化すると予測されます。身近な企業が通販ビジネスを開始することも充分に考えられますので、常に動向に目を配る必要があるでしょう。
また、リピート率を上げるために封入されるDMやカタログ、メッセージカードなどの印刷物についても、バリアブル印刷によるOne to OneのDM制作など、アイデア次第で新たな需要を掘り起こすことが可能です。通販企業と顧客をつなぐ魅力的な印刷物を提案できるよう、企画力を高めていくことも重要と言えます。
 
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