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インターネットと融合し発展する、印刷ビジネスの展望<第2回>
 
感圧紙の業界の未来を考える グリーンレポート
インターネットと融合し発展する、
印刷ビジネスの展望<第2回>
2007/12/10
1.XMLの登場で加速するクロスメディア化
2.「Web2.0」―クロスメディア時代のeビジネス
3.シェアを広げるデジタルプリンティング
4.まとめ
1.XMLの登場で加速するクロスメディア化
 インターネット上で広く交換可能な標準文書仕様として開発された言語、XML (Extensible Markup Language)の登場で、紙メディアのコンテンツをWebサイトや携帯電話端末などの電子メディアと効率的に共有できるようになりました。これにより、複数のメディアを組み合せたコミュニケーションで相乗効果を狙うクロスメディア化が急速に進んでいます。
こうした時代の要求に応え、大手の印刷会社はいち早く新たなCTS(Computer Typesetting System)を開発し、クロスメディア展開を進めています。
もちろん、システムを構築すれば即、クロスメディアに対応できるわけではありません。インフラをはじめ技術面の整備は当然必要ですが、それと同時にこれからの印刷会社にはそれぞれのメディアの特性を把握し、顧客のニーズに合わせて最適な提案をする企画力が不可欠と言えるでしょう。

※主に大量ページの印刷物などで使用される、高性能な専用コンピュータを使用した電算写植システム。
●XMLの活用により、効率的なクロスメディア展開が可能
2.「Web2.0」―クロスメディア時代のeビジネス
 「Web2.0」時代の到来やクロスメディアの進展は、企業のeビジネスへの取り組みを大きく変えました。それは印刷業界も例外ではありません。
先にも述べたように、印刷業界でも「Web2.0」の潮流をいち早く捉え、ネットコミュニティを活用した多面的なビジネスを展開する企業が登場しています。また、クロスメディアの側面からも、Webとリンクした新しいビジネスが続々と生まれています。さらに、インターネットを活用することで印刷会社特有の業務プロセスを効率化し、サービス価値の向上を図っている企業もあります。
各企業はどのようにしてインターネットをビジネスに取り込んでいるのか。印刷会社が展開する新しいeビジネスの事例をいくつかご紹介しましょう。

※企業のホームページなど一方通行型の情報発信である「Web1.0」に対し、ブログや動画共有サイトに代表される双方向の情報発信を「Web2.0」と呼びます。
●無料DVDでWebサイトへ誘導―(凸版印刷)
凸版印刷は2007年10月、女性向けの無料DVD「MIRAIE(ミライエ)」を発行しました。男性向けの「コードネオ」に続く無料DVDで、創刊号は20万部を用意。翌年4月以降からは定期刊行を目指しています。美容情報サイト運営会社のSDMなどと連携して、30代前後の働く女性をターゲットとした美容やライフスタイルに関する映像コンテンツで編集し、広告収入で運営。化粧品などの商品サンプルをDVD と一緒に配布することで、広告主のWebサイトへの誘導を図っています。
●無料DVD「MIRAIE」創刊号
●Webカタログの自動作製サービスを提供―(大日本印刷)
大日本印刷は2007年11月より、Webカタログを自動で作製できる「eライブラリASPサービス」を提供しています。日本デジタルオフィスと共同で開発したこの新サービスは、複雑な操作をしなくても画像や文書の位置、サイズなどを設定できるのが特長。必要な画像や文書を画面上で切り取り、編集用画面に張り付けるだけでカタログを作製できます。カタログのどのページが閲覧されているかなど、利用状況を分析する機能も備えています。

●Webサイトで印刷受注を可能に
デジタル化が進んでいる印刷会社は、Webサイトで印刷物の受注ができるサイトを開設しています。このシステムはインターネットを経緯して印刷会社のサーバにデータ送信される仕組みとなっています。Web上で入稿から校了、印刷までの受注作業が完了することで、短納期と生産性の向上を可能にしています。
3.シェアを広げるデジタルプリンティング
 デジタル印刷機が登場したのは1990年代。それから10数年を経て、その品質や性能は著しく向上し、オンデマンド印刷をはじめとするデジタルプリンティングもビジネスとしてようやく認知されるようになってきました。日本より印刷のデジタル化が先行しているアメリカでは、デジタルプリンティングのシェアがオフセット印刷の領域に迫りつつあり、さらにシェアを伸ばしていくと予測されています。今後、日本も同じ方向に進んでいくと思われます。
急速に拡大するデジタルプリンティングの中で、いま最も注目を集めているのがバリアブル印刷です。バリアブル印刷は可変印刷とも言われ、容易に情報を差し替えられることから、効率的に「One to Oneマーケティング」を実現できるツールとして期待されています。例えばDMの場合、文字や画像のデータベースの中から、送る相手に合わせて最も効果的なメッセージや写真を自動的に選択して印刷することが可能になります。
現在のところ、日本では金融機関の明細書などでの活用が主流ですが、DMやパーソナルカタログをはじめカラー印刷に対応したサービスを提供する企業も出てきています。バリアブル印刷の需要は今後ますます拡大していくと見られ、印刷業界にとっては新しいビジネスを創出する大きなチャンスと言えます。
●オフセット印刷を追い上げるデジタル印刷
4.まとめ
 紙メディアと電子メディアの融合やデジタルプリンティングの普及などにより、顧客の印刷会社への要求はますます高度化・複雑化しています。他業界との激しい競争やさらなる短納期への対応など厳しい状況も予想されますが、同時にアイデア次第でビジネスが拡大するチャンスも秘めています。自社の強みを生かしながら、そこに新しいメディアや技術を取り込み、より付加価値の高いサービスを提供していくことが、これからの印刷会社にとって大きな課題と言えるでしょう。
 
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