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グレーゾーン金利で揺れる消費者金融とクレジットカード業界<第1回>
 
感圧紙の業界の未来を考える グリーンレポート
グレーゾーン金利で揺れる消費者金融と
クレジットカード業界<第1回>
2007/3/9
1.多重債務と自己破産の増加
2.貸金業規制法改正案
3.出資法と利息制限法
4.グレーゾーン金利とは?
5.まとめ
1.多重債務と自己破産の増加
 個人の自己破産申し立て件数は、1996年ごろから急激に増え続け、2003年をピークにして毎年20万人近くという高水準で推移しています。なかでも、気になるのは女性の自己破産申し立て者の急増ぶりです。その原因のひとつが、消費者金融がヒットさせた女性専用の「レディースローン」。家族に内緒でも気軽に借りられるところが受けて業績を伸ばしています。最初は小遣い程度と軽い気持ちで借りるうちに、だんだん深みにはまり多重債務に陥り、ついには破産するという事態が待ち構えています。また、不況や失業率の増加は消費者金融業界に大きな影響を与えています。
このように借り手の返済能力を超えた過剰貸し付けは、多重債務者をつくりだしている原因のひとつとみられています。金融庁は借り手救済の立場から、貸金業者の規制を強化する方向に動きだしています。
●個人の自己破産申し立て件数
2.貸金業規制法改正案
 政府は2006年10月、消費者金融など貸金業者の規制を強化する貸金業規正法などの関連法の改正案を閣議決定し、12月に参院本会議で可決、成立しました。
グレーゾーンと呼ばれる不透明な高金利の撤廃や、借り手一人当たりの借り入れ総額を年収の3分の1に制限する総量規制を導入し、多重債務問題の解決に踏みだします。ただ、貸出金利の大幅引き下げで貸金業者が、貸し倒れ懸念のある低所得者層に融資しなくなる「貸し渋り」や「貸しはがし」と呼ばれる早期回収に走る可能性が指摘されています。さらに自己破産者の増加やヤミ金融に流れる借り手が増え、ヤミ金被害者の増大を招くのではと懸念されています。借り手の救済には、官民を上げた安全網の検討や相談体制の整備など多くの課題を残しています。
3.出資法と利息制限法
 出資法は戦後の混乱期に、ヤミ金融を取り締まる目的で1954年に制定され、上限金利を超えて融資した場合には刑事罰が科せられるというものです。時を同じくして、民事上の上限金利を規定した利息制限法も施行されて、金利の二つの基準が生まれてしまいました。
'70 年代以降、多額の債務を抱えたサラ金利用者が急増し、社会問題化した時期がありました。消費者金融会社が出資法の範囲(当時年利40%が上限)の高金利で融資していたことが一因とされ、出資法の上限金利は段階的に引き下げられてきました。しかし、利息制限法との金利差は埋まらず、利用者にわかりにくい金利体系となっています。
●出資法/利息制限法の金利推移
4.グレーゾーン金利とは?
 先の図の通り、出資法で定められた金利の上限は年利29.2%、一方、利息制限法は融資の元本額に応じて年利15%〜20%となっています。グレーゾーンとは、この上限の差部分のことを指します。消費者金融や信販会社、カード会社の個人向け無担保ローンの大部分が、このグレーゾーンでの金利を適用しています。2004年、最高裁はグレーゾーン金利が適法とみなされる条件を「厳格に解釈すべきだ」との判断を示しました。判決後には、利息制限法より高い金利で融資された利用者が、払いすぎた利息の返還を求める「過払い金返還請求訴訟」を起こすケースが急増しています。
現在、消費者金融大手では訴訟トラブルを避けるため、優良な顧客には利息制限法以下で融資するのが一般的となっています。信販会社、クレジットカード大手でも、キャッシング、カードローンの金利を、利息制限法を下回るレベルへ引き下げる動きが相次いでいます。
●グレーゾーン金利とは?●関係する業者
5.まとめ
 出資法と利息制限法という、二つの法律のはざまで生まれたビジネスモデルは、法律改正で転換のときを迎えたようです。消費者金融や流通・信販系カード会社の再編加速は必至の状況です。次回は業界再編などで帳票需要が期待できる、クレジットカード業界の舞台裏を紹介します。
 
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