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求められるコンプライアンス強化〜新法による内部統制<第3回>
 
感圧紙の業界の未来を考える グリーンレポート
求められるコンプライアンス強化
〜新法による内部統制<第3回>
2007/2/9
1.統制環境の整備
2.リスクの評価と対応
3.文書化、マニュアル化を進める
4.社内研修を計画し実施する
5.モニタリング(独立的評価)計画と実施
6.内部統制を評価し欠陥に対応する
7.まとめ
1.統制環境の整備
 統制環境とは、組織の気風を決定し、他の基本的要素へも影響を及ぼす重要事項です。中小企業にとって経営者の影響力は絶大で、その考え方、取り組みが企業の文化を形成しているともいえます。したがって、経営者自らの考え方、行動、発言、姿勢を律することが求められます。その上で経営者をチェックするのが、取締役会や各種委員会です。その権限や役割を明確にし、経営者が決定して指示する文化から、取締役会の承認、もしくは株主総会での決議が優先される文化への意識改革を行うなど、きちんと内部統制が機能するような組織づくり、環境づくりが大切になります。
●統制環境の整備
2.リスクの評価と対応
 リスクの見落としは、内部統制構築の致命的な欠陥になりかねません。内部統制推進チーム主導の下で、社内外で保有する潜在的、顕在的リスクをすべて調査し、目に見えるかたちで表現すべきです。この作業を企業メンバーだけでやると先入観で客観視ができず、見落としや発見漏れが生じやすくなります。このため、各企業は専門の社外コンサルタントを活用しています。各部門の業務フロー図と洗い出したリスク一覧表を、推進チームメンバーが持ち寄り、リスクの大きさ、リスクの発生頻度、発生場面、発生確率などを評価して、対応すべき優先順位を付ける必要があります。
3.文書化、マニュアル化を進める
 内部統制で最も大変なのが業務の文書化です。リスクの評価と対応が完了すると、本来あるべき姿の業務フロー図が完成します。この業務フロー図に基づいた業務マニュアル、規則、作業手順書などの文書化作業を行います。文書化では、業務規則などは内部統制推進チームが中心となって作成し、業務マニュアルや手順書は、それぞれの業務の責任者を中心に現場のメンバーが行い、内部統制推進チームの承認を受けます。文書化作業は、時間と手間がかかるので、アウトソーシングをうまく利用してはいかがでしょう。
■内部統制の考え方
●業務の文書化
4.社内研修を計画し実施する
 この社内研修は、導入を宣言するうえでぜひとも推奨したい行事です。そして、内部統制推進チームが発足した時点で、そのメンバーを対象として実施します。メンバーには内部統制の知識と有効性と意義を知ってもらうこと、経営者の内部統制導入に対する強い意志と期待をしっかり伝えることが大事です。
研修内容での重要点は、
① 経営者自らが内部統制導入宣言
② 内部統制推進チームの紹介と位置づけ
③ 内部統制の目的・意義・内容(基本的要素)の説明
④ 作業を依頼する内容とスケジュール
お互いの意識を高めあう研修会とします。
●社内研修の計画と実施
5.モニタリング(独立的評価)計画と実施
 モニタリングとは、内部統制が有効に機能しているかを、継続的に評価する極めて重要なプロセスです。モニタリングには、企業メンバーによる「日常的モニタリング」と、経営者が指名する評価人が、指定する業務を評価する「独立的評価」があります。独立的評価は、企業メンバーへの研修が終った時点から、経営者を中心に内部統制コンサルタントのアドバイスを得ながら計画を立てます。
独立的評価の本番は、2008年4月開始事業年度以降になりますが、今から対象業務を評価するメンバー選定や評価手順などを、シミュレーションしておくことをお勧めします。
6.内部統制を評価し欠陥に対応する
 独立的評価の報告書と日常的モニタリングの結果を基に、経営者は内部統制の評価テストを行います。そして「重要な欠陥」「不備」「正常」の判断をしていきます。「重要な欠陥」に該当したものは、できる限り早急に正常な状態、もしくは不備の状態に是正する必要があります。内部統制の導入では、重要な欠陥がないほうが理想ですが、その対応に数年を要するものも少なくないでしょう。重要な欠陥を認めた報告書でも、リスクをきちんと分析し、その対応の計画が報告できれば大きな問題にはならないでしょう。日本版SOX法では、内部統制に重要な欠陥があることで罰せられることはありません。虚偽の報告をしたときのみ罰則が科せられるのです。
●是正措置で有効化
7.まとめ
 内部統制、コンプライアンス強化というテーマで、3回の連載を終えたわけですが、この間にも、企業の不祥事に関するニュースがメディアを賑わせています。コンプライアンスは、本来の意味は「法令遵守」ですが、その中に社内規定やマニュアルを守ること、社会規範や企業倫理まで含めるケースもあります。
次回からは、帳票需要が期待できる「グレーゾーン金利で揺れる消費者金融とクレジットカード業界」についてレポートします。
 
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