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郵政民営化で、過熱する物流戦争<第1回>
 
感圧紙の業界の未来を考える グリーンレポート
郵政民営化で、過熱する物流戦争 <第1回> 2006/4/10
1.郵政民営化とは
2.「ゆうパック」vs「宅配便」
3.「冊子小包」vs「メール便」
4.まとめ
1.郵政民営化とは
 まずはじめに、郵政民営化の概略から説明します。郵政民営化は2段階に分けて行われます。第1段階は来年10月からの民営化です。日本郵政公社は次の4つの会社に分割され、株式会社化されます。郵便事業を取り扱う「郵便事業会社」、郵便局の窓口業務を引き受ける「郵便局会社」、「ゆうちょ」や「かんぽ」などの郵便貯金を運営・管理する「郵便貯金銀行」、簡易生命保険業務を継承する「郵便保険会社」です。そして、「日本郵政株式会社」は郵便事業会社と郵便局会社の発行済株式の全株式を保有する持株会社となります。第2段階では、2017年までに郵便貯金銀行と郵便保険会社の金融2社の株を全て売却し、完全な民間企業にします。
首相官邸ホームページよると、郵便事業においては、「総合的な郵便・物流事業へ」と発展させ、「アジアなど国内外への成長市場へ進出」すると明言されており、そのための足場固めとして、現在すでに様々な動きが見られます。その動きについて、次章以降で紹介していきます。
2.「ゆうパック」vs「宅配便」
 郵便局は日本全国で2万4,000局を超えます。このうちおよそ1万9,000局が郵便事業で赤字だと言われています(簡易郵便局除く)。そこで、日本郵政公社はすでに民営化に向けた郵便事業の強化や改革を始めています。
その代表的なものが、「ゆうパック」などの郵便小包事業のさらなる強化です。郵政公社は、ライバルである宅配便事業を展開する民間企業に戦いを挑み、販路となるコンビニエンスストア取り次ぎ窓口の争奪戦が繰り広げられてきました。
2003年時点において、宅配便最大手のヤマト運輸の荷物取り次ぎ場所は、自社営業所とコンビニなどを合わせて約30万ヵ所あるのに対し、郵政公社はわずか7.1万ヵ所しかなく、郵政公社にとっては立地条件に優れ営業時間が長いコンビニでの取り扱いは悲願でした。2004年になるとエーエム・ピーエム・ジャパンを皮切りにローソン、ミニストップ、デイリーヤマザキなどで、次々と「ゆうパック」の取り扱いがスタート。さらに2005年、サークルKサンクスでも開始し、「ゆうパック」を取り扱うコンビニ店舗数は約2万店舗となり、「クロネコヤマトの宅急便」を取り扱うセブンイレブンなどの店舗数を逆転。コンビニでの販路の拡大が受注増につながり、平成16年度において「ゆうパック」の対前年増減率が17.8%アップしました。 
現在、宅配便業界は、ヤマトと佐川急便がそれぞれ約30%のシェアを占めています。郵政公社の小包は6%前後で、これを10%に引き上げる目標を掲げています。
宅配便や郵便小包の送付状には、帳票が利用されています。今後も競争の激化が予想され、さらなる帳票需要が見込まれますので、動向から目が離せません。
3.「冊子小包」vs「メール便」
 郵政公社と民間企業との争いは、宅配便だけではありません。冊子小包とメール便でも火花を散らしています。冊子小包とメール便はどちらも、雑誌や書類、パンフレットなどを、ご家庭や会社の郵便受けへ配達するサービスです。(1)全国統一価格であること、(2)内容物が制限されること、(3)郵便受け投函で配達記録確認不要、(4)数量が多いときに有利などの共通点があり、主に通信販売会社の配送に利用されていました。
ヤマト運輸は2004年から業界で初めて、セブンイレブンの都内約120店舗で「クロネコメール便」の発送受け付けをスタート。のちに全国のセブンイレブンへとサービスを拡大しました。これまで企業が中心だったメール便の利用を、個人が1冊だけでもコンビニで発送できるように改善したのです。
一方、郵政公社でも相次いで冊子小包の値下げを実施し、年間100万通を差し出す場合は最大1/3に引き下げる「超大口割引」を導入するなど対抗に躍起となっています。また、ヤマト運輸のライバルである佐川急便や日本通運が集荷したメール便の配達も引き受けるなどし、2003年度の冊子小包の取り扱いにおいては5億1,500万個と、前年度比86%と大幅に増加しました。
最近の動きでは、日本郵政公社が4月1日から、郵便ポストに投函できる新サービス、簡易小包郵便物「ポスパケット」の取り扱いを開始します。郵便ポストに入る郵便小包では、専用の封筒を使う定形郵便小包「エクスパック」が既にありますが、全国一律400円と100円安い料金設定、エクスパックで必要な受取人のサインを不要とするなど、メール便に追撃をかけます。衣類、書籍、通信販売の商品などを想定し、法人向けの大口の割引料金も設定することで、さらなる顧客獲得を目指します。
Eメールの普及などで郵便事業が伸び悩むなか、企業を主な顧客とするメール便は大きな成長が期待できる分野と言われています。このようなサービス競争から、新たな帳票・印刷需要が生まれる可能性も秘めています。 
4.まとめ
 これまで見てきましたように、郵政民営化を前にして日本郵政公社と民間業者のサービス競争が熾烈を極めています。来年の民営化により、各社がさらなるサービスの拡大、強化をしていくことが予想されます。突発的に大きな需要が生まれることも考えられますから、それに備えて営業体制などの地盤を整えておかれてはいかがでしょうか。
次回は、「郵政民営化で、過熱する物流戦争<第2回>」と題して、物流業界の別の見地から印刷・帳票需要の可能性を探っていきます。
 
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